使わなすぎ(under use)による硬結
「凝り」の分類2つ目は、使わなすぎ(under use)による硬結です。
痛みや運動不足により筋肉や関節を動かす機会が少なくなると、滑液の循環が低下します。
そのため粘性が高まり筋膜同士がくっ付いてしまい、本来の動きが出なくなるのです。
さらに動かす機会が減ると筋ポンプ作用も低下し、筋そのものの栄養状態・老廃物の排出などに問題が生じ、その結果「凝り」の状態になってしまいます。
また滑液は、筋膜だけではなく皮膚と筋膜の間にも流れているため、皮膚と筋膜の癒着も起こります。
そうなると皮膚の栄養状態も悪くなることから、肌はガサガサ、張りもなくなります。
また皮膚直下にあるリンパもポンプ作用で流れを作っていることから、リンパの流れも低下してしまうのです。
(引用・参考:https://www.liposuction-sos.com/example/pigmentation/)
そのため、こういった場合には筋肉だけをみるのではなく、皮膚の癒着もみなければなりません。
関節可動域制限・拘縮がある患者さんの場合、この皮膚の癒着が関節可動域の阻害要因になっている場合が多くあります。
どうしても「凝り・硬結」というと筋肉だけで考えてしまいがちですが、その他の軟部組織の状態も考えると視野が広がりますね。
次回は「炎症による硬結」をご紹介します。