こんにちは 川越 訪問マッサージnordic-ノルディック-の宮倉です。
手が何となくしびれてきたなあ。。。。と感じていたら、だんだんと冷たくなって、ある日手を挙げるとだるくて、痺れ、冷感が強くなって耐えられない!!
そんな話を聞いたことがありませんか?
これは「胸郭出口症候群(thoracic outlet syndrome 以下 TOS)」といわれ腕にいく神経が締め付けられることによって起る症状です。
今回は胸郭出口症候群について私の考察を交えて勉強していきましょう。
胸郭出口症候群(TOS)とは
胸郭出口症候群とはC5~th11から出ている腕神経叢が手に向かう途中で、絞扼部位と呼ばれる3つのトンネルを通ります。このトンネルで絞扼(締め付けられる)されている状態を胸郭出口症候群(TOS)といいます。
3つのトンネルを理解しよう
・1つ目のトンネル:斜角筋隙
頸椎から出た腕神経叢が最初に通るトンネルは「斜角筋隙(しゃかくきんげき)」と言います。
このトンネルは、前側を「前斜角筋」、後ろ側を「中斜角筋」、底面を「第1肋骨」で構成されています。
腕神経叢はこの前・中斜角筋の間を通り外下方にむかって斜めに走ります。
前斜角筋、中斜角筋はデスクワークなどで首の疲労が蓄積し、緊張が高まると前と後ろの壁が狭くなり、また両方の筋が第一肋骨を引き上げることにより底面も上昇するので、このトンネルを通る腕神経叢が圧迫されることになります。
この部分で圧迫されることを「斜角筋症候群」と呼ばれています。
また、このトンネルは鎖骨下動脈も通過するため間隙が狭くなると動脈も圧迫されます。
ライトテストなどで評価すると橈骨動脈が減弱ないし上肢に放散痛がでるのはこういう理由だったんですね。
・2つ目のトンネル:肋鎖間隙
斜角筋隙を通過した腕神経叢が次に通るのは、肋骨と鎖骨からできるトンネルを通ります。
このトンネルを「肋鎖間隙」(ロクサカンゲキ)と言います。
このトンネルは上面を鎖骨、底面を第一肋骨で構成される「骨性トンネル」であり、また、斜角筋隙を通過しなかった鎖骨下静脈も肋鎖間隙は通過します。
また、なで肩姿勢の人は鎖骨が下がるため、トンネルの上面が狭くなり腕神経叢が圧迫されやすくなります。
その為、腕神経叢、鎖骨下動脈、静脈が余計に圧迫されやすくなります。
また、投球動作などの上肢を挙上し鎖骨が後方に回旋した場合はトンネルの前壁を構成する肋鎖靱帯も後方に移動する為、トンネルは狭くなりやすくなるので腕を上げる機会が多い人は要注意ですね。
肋鎖間隙で絞扼される神経症状を肋鎖症候群と呼びます。
・3つ目のトンネル:小胸筋下間隙
3つ目のトンネルは烏口突起から起始する小胸筋が上面を構成し、烏口鎖骨靱帯が底面を構成する小胸筋下間隙です。
このトンネルは繊維性トンネルであり、肩関節を外転させると下方に走行していた腕神経叢、鎖骨下動静脈は、このトンネルを支点に向きを変えて上行します。
その為、この部分が硬くなっていたり、柔軟性が落ちていた場合、絞扼が起き神経症状が出やすくなります。
つり革や手を挙げる動作で痺れが強くなる人は要注意です。
次回に続きます。