常圧による凝り

凝りの解説5回目は「常圧」による凝りです。

常圧とは、常に圧が掛かっている状態の事を指します。

「使いすぎの硬結」で説明した際に、筋肉が膨らんで、筋肉同士で押し合うと、筋肉や組織内の圧が高まり、毛細血管やリンパ管などに圧が掛かり循環不全を起こすことで癒着が起こり、「凝り=硬結になる」ということでしたね。

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これと同じ考えで、筋肉が膨らんでいない状態で、外部から常に圧が掛かってしまい、組織内の毛細血管やリンパ管などの循環が阻害され、癒着を起こしてしまい、細胞が栄養不足の状態になってしまい固くなってしまうことを常圧による凝りと呼びます。

私たちはふだん、動くことで身体の圧を変化させ、一部にかかる圧力を分散しています。
そのおかげで組織間に隙間が生まれ、血液や滑液(ヒアルロン酸)などが行き渡り細胞内に栄養を運ぶことができ、老廃物は回収され常に代謝を繰り返し良い状態を保っているのです。

例えば、正座をしていて足がしびれてしまうのも、外部からの圧による神経の栄養不足とも考えられます。
また、寝たきりになってしまった場合、体重で組織を圧迫してしまい、循環不全になってしまいます。
それらを予防するために、介護ベットは空気で圧を分散させたり、動かしたりしているんですね。

また、フォルクマン拘縮(阻血性拘縮)なども包帯やギブス固定を強く巻きすぎた為に起こる障害であることから、外部からの常圧による循環不全とも捉えることができます。

フォルクマン拘縮ー包帯やギブス固定、または血種により組織内圧が高まる事により循環障害をおこし、筋肉や神経の機能障害を起こす。

参考引用/https://hapila.jp/volkmann-contracture

 

マッサージ師も筋肉だけではなく、患者さんの組織内の状態を推測して、それに合わせた施術をしていかなければなりませんね。

 

次回は最後の「心理的・社会的要因」による凝りをご紹介します。