こんにちは!!訪問マッサージnordic-ノルディック-の宮倉です。

高次機能障害シリーズ最後は「失語症」を一緒に勉強していきましょう。

 

 

失語症とは

脳血管障害などによって大脳半球にある言語中枢が損傷することで起こる言語障害です。

失語症になると、言葉を聞いて理解することや話すこと、文字を読んで理解すること、書くことといった言語機能のすべてが障害されます。

 

失語症の特徴

 

失語症には次のような特徴があります。

・言葉が浮かばない(頭の中の引き出しから出せない・探せない)・ことばが理解できない
・文字が理解できない、書けない
・言葉の意味自体の記憶は残っていることが多い
・声帯や口唇・舌の機能には問題がない

また、ストレスや神経障害の影響で声帯などがうまく動かせずに声が出せない「失声症」、同じ言葉や

最初の言葉を繰り返してしまう「吃音(きつおん)」、脳卒中や外傷の影響で、口唇や舌が動かしにくく

なる「運動障害性構音障害」とは違い失語症は声帯や口唇など「声を出す機能」に障害はありません。

 

失語症のパターン

失語症には2つのパターンがあり

運動性失語(ブローカ失語)言葉は理解できるものの、文の構造をうまく組み立てられず、単語や短文

でしか言葉が出てこない。

感覚性失語(ウェルニッケ失語)言葉の理解が難しく、発話はなめらかだが意味の通らない言葉を話す。

上記の2つに別れます。

また、脳の損傷部位が広範囲にあり、両方の失語を併発する場合もあります。これを「全失語」と呼びリハビリに

時間を要するほか、右麻痺も併発することが多いようです。

 

気を付けることは「焦らず」「大人として接する」「言葉以外も交える」

 

ご家庭でのリハビリを行う際にはご家族の協力も必要になります。

ただ、どうしても早く回復してほしいために焦ってしまったり、良かれと思って子どもに接するようにしてしまったり

言葉だけでコミュニケーションを取ろうとしてしまいがちになります。

大切なことはご本人にの意思を尊重しながらゆっくりとコミュニケーションをとることが重要になりますので

以下の点を注意しながらご家庭のリハビリを進めていきましょう。

■過剰に先回りしない

早く回復してほしいからと、次の言葉を先回りして言ってあげるご家族がいますが、時と場合によっては

患者様の意志を無視してしまうことに。。。

ワンクッション考える時間を持ったうえでご本人が困っているようであれば、イエス・ノーで答えられる

質問や選択肢のある質問に置き換えてあげるとよいでしょう。

 

■思考能力は低下していないことに注目

認知症と違い、物事の判断力自体は低下していないのが失語症です。

簡単な言葉を使おうとするあまり、子供相手のような会話をするのは望ましくありません。

あくまで大人として接することが大切です。

 

■ゆっくり時間をかけて会話をする

時間をかければある程度の会話は成立しやすくなります。

時間に余裕をもって会話をするように心がけましょう。

 

■ジェスチャーを使う

言葉だけがコミュニケーションを取る方法ではありません。

ご本人が言葉に詰まっているとき、ジェスチャーを混ぜることで言葉を思い出すことがあります。

 

■実物/写真/イラストを組み合わせる

「テレビ」などの単語は覚えているものの「テレビ見る?」と話しかけてもイマイチ反応が悪いときには

「『テレビ見る?』と話しかけながらテレビをつける」など、実際にイメージが沸くものを見ると理解を

促しやすくなります。写真やイラストでも同様の効果が期待できます。

 

言葉をうまく使うことが目標ではなく、周囲との意思疎通を図ることが、最終的な目標

発症後、コミュニケーションがうまく取れないとご本人もご家族も、もどかしいく感じてしまうでしょう。

症状の程度によってはリハビリが数か月に渡るほか、緩やかに回復するため、不安な生活を過ごすかもしれません。

そんな時は、無理に発症前の状態に戻そうとするのではなく、趣味や好きなことの話題など、今のコミュニケーションを楽しめる工夫を取り入れることが大切です。

また、セラピストも焦らず失語症を理解して時間をかけながら目の前の患者さんを理解する姿勢が大切だと思います。

言葉をうまく使うことが目標ではなく、周囲との意思疎通を図ることが、最終的な目標だと忘れないようにしましょう。

 

如何でしたでしょうか。高次機能障害は私たち訪問マッサージのセラピストでも接する事が多い疾患です。

そんな時、ご家族様やご本人の不安を理解して、寄り添える事も私たちの仕事ではないでしょうか?

また、Dr、PT、Nasさんたちがどの様な目標とリハビリを考えながら治療にあたっているかを理解し

協力していくこともチームとしての医療では大切なことだと思います。

そのためには私たちも沢山勉強をしていかなければいけませんね!!

これからの若いセラピストを育てられるように頑張りますので応援よろしくお願いいたします!!